この記事の監修者

土地家屋調査士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)、行政書士。
取扱い分野:建物表題登記など表示に関する登記全般。

経歴:開業以来23年間、建物表題登記など登記に関する業務を行ってます。
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「建物表題登記、自分でやれば10万円くらい浮くらしいけど・・」
「図面なんて書いたことないし・・」
「法務局で『線が細い』『規格外』と突き返されるのが怖い」

もしそう思っているなら、
この記事にたどり着いたあなたは大正解です。

実は、登記の図面作成で最も重要なのは、技術でもセンスでもありません。

「正しい道具を選ぶこと」、これだけで難易度が劇的に下がります。

必要なのは、「法務局の基準をクリアできる、たった3つの正しい道具」だけです。

実は、Amazonや文具店で、2千円程度で手に入る「正解の道具」があります。

これを使えば、建物図面と各階平面図の作成が初めての方でも、
法務局の補正(やり直し命令)を回避し、
スムーズに登記を完了させることができます。

今回は、建物図面と各階平面図の作成の準備編として、
法務局で一発クリアできる「最強の作図セット」と、
「なぜそれが必要なのか」という法的な規格の理由まで、
建物表題登記の申請業務を行っている土地家屋調査士が徹底解説します。

この記事を読むと、建物図面・各階平面図を自作する『神道具』がわかります。

まずはこれだけ!図面作成に必要な「三種の神器」

まず結論から言います。

各階平面図と建物図面をご自分で作成する上で、
絶対に妥協してはいけないのが、「ペン」「定規」「用紙」の3つです。

ここを100円ショップで済ませると、
インクが滲んで書き直しになったり、
縮尺が狂って登記できなかったりします。

それぞれの規格を見ていきましょう。

【ペン】0.2mm以下が絶対条件!製図ペンの選び方と正しい持ち方

図面は、「細く、鮮明に、長期保存できること」が求められます。

まず、使用するペンに関する必須条件の1つとして、
線の太さは、0.2mm以下であることが求められており、
法務局の推奨は非常に細い線です。

そのため、一般的な0.5mmや0.7mmのボールペンでは、
太すぎて、細かい数字や境界線が潰れてしまいます。

また、 通常の水性ペンや油性ボールペンは、
数十年経つと消えたり、変色したりするリスクがあるため、
不可とされることが多いです。

そのため、乾くと耐水性になり、
にじまない「顔料インク」の製図用ペンを選んでください。

自作で使うべき「ペン」のおすすめの具体例としては、
ロットリング(Rotring) ティッキーグラフィック 0.2mmがおすすめです。

なお、ペンの「正しい持ち方」としては、
プロが使う製図ペンは、ボールペンとは違い、
紙に対してほぼ垂直(90度)に立てて使います。

斜めに持つとインクが途切れたり、
定規の下に滲んだりする原因になるからです。

垂直に優しく引くことで、
美しい均一な線が引けるようになります。

ただし、0.2mmのペンで書くと言われても、
いきなり一発書きできる人はまずいません。

そのため、まずは「H」以上の硬い鉛筆で、
縮尺通りに薄く下書きをしましょう。

鉛筆で下書きした線上を製図ペンでなぞり、
インクが完全に乾いてから消しゴムで、
下書きの鉛筆の線を消すのです。

0.2mmのペンは、まさに『2千円で10万円を浮かせる投資』の第一歩です。
明日からすぐに作図を始めたい方は、こちらから揃えておいてください。

「※法務局の規格に適合した、土地家屋調査士推奨の道具です」

【定規】普通の定規はNG!ミスをなくす「縮尺入り三角定規」一択

小学校などで使っていた普通の定規を使ってはいけません。

いちいち「1/250だから、えっと2.5倍して…」
と計算していると、必ず計算ミスが起きます。

用意するのは、下図のような、500分の1の縮尺と、
250分の1の縮尺が入った「縮尺入りの三角定規」です。

なぜ縮尺入りの三角定規が必要なのか?

建物図面は、原則、500分の1の縮尺で作成する必要があり、
各階平面図は、原則、250分の1の縮尺で作成する必要があるからです。

もし、その縮尺に収まらない場合には、
建物図面は、1000分の1の縮尺による作成や、
各階平面図は、500分の1の縮尺による作成も可能です。

そのため、もし縮尺入りの三角定規に、
100分の1の縮尺も入っていれば、
図面作成において、より対応範囲が広がることになります。

また、1/250と1/500の縮尺入りの三角定規であれば、
下図のように、三角定規を上下にずらすことによって、
指定の縮尺で距離を取りながら、縦や横の線も同時に引けるからです。

縮尺の使い分け方としては、
建物図面は、原則、1/500の縮尺で作成して、
各階平面図は、原則、1/250の縮尺で作成します。

なお、三角スケールと三角定規というように、
2つの道具を用意して作図する方法もありますが、
使い勝手があまり良くないので、お勧めしません。

そのため、自作で作図する定規としては、
縮尺入りの三角定規が正確と言えるのです。

自作で使うべき「縮尺入り三角定規」のおすすめの具体例としては、
「ウチダ 三角定規 24cmx2㎜ 縮尺目盛付」がおすすめです。

この縮尺入り三角定規には、最初から、
「1/250」「1/500」の目盛りが刻まれています。

つまり、計算不要で、目盛りをそのまま読むだけで作図ができるのです。

なお、このおすすめの縮尺入り三角定規を使用しても良いですし、
ご自分が使いやすい他の道具でもかまいませんが、
必ず、1/250と1/500の目盛りがあることを確認しましょう。

計算ミスで、各階平面図や建物図面を台無しにしないための、
最も価値ある『2千円で10万円を浮かせる投資』です。
こちらの縮尺入り三角定規を今すぐ手に入れて、失敗のリスクをゼロにしましょう。

「※法務局の規格に適合した、土地家屋調査士推奨の道具です」

【用紙】法務局指定の「B4・日本標準規格」とは?

ここが最大の落とし穴です。

各階平面図と建物図面を法務局に提出する場合、
普通のA4サイズのコピー用紙や、
A3サイズのコピー用紙では、通常、受け付けてもらえません。

法務局に提出する各階平面図及び建物図面は、原則B4サイズです。

ただ、各階平面図と建物図面を作成する用紙は、
B4サイズが原則と言われても、
「家に、B4の用紙なんてない、A4の用紙じゃダメなの?」と悩む人も多いと思います。

B4サイズの用紙でなければならない理由は、
不動産登記規則第74条により、
図面のサイズは、B4と法律で決まっているからです。

A4サイズの用紙を、2枚繋げたり、縮小してA4で出したりすると、
補正作業が発生したり、最悪却下となるので、
数百円の費用はかかりますが、必ずB4サイズの用紙を準備する必要があります。

また、図面は、永久保存されるため、
用紙のかみ質についても、上質紙またはケント紙など、
耐久性のある紙が必要です。

ただ、現在の白色のコピー用紙は、
紙質的に上質紙と同等なので、一般的に使用可能ですが、
確実性を求めるなら、下記の専用用紙がおすすめです。

なお、各階平面図と建物図面の枠線が、
あらかじめ印刷されているものを使えば、
枠を書く手間も省けます。

最後に、土台となる用紙を間違えては全てが無駄になります。
これも『2千円で10万円を浮かせる投資』の一部。
法務局対応のB4用紙をこちらで用意して、完璧な準備を整えましょう。

まとめ

今回、土地家屋調査士の視点から、
建物図面と各階平面図の作成に必要な「三種の神器」と、
それぞれの規格を解説しました。

ここで、重要なポイントを再確認しましょう。

  • ペン:線が潰れない0.2mm以下の製図ペンを選び、紙に垂直に立てて使うこと。
  • 定規:計算ミスをなくす、1/250と1/500が入った縮尺入り三角定規を使うこと。
  • 用紙:法務局指定のB4サイズ(上質紙またはケント紙)を使うこと。

道具さえ揃えて、この規格を守れば、図面作成の難易度は劇的に下がります。

さあ、約10万円の節約を達成しましょう。

あなたは、「土地家屋調査士への依頼」というハードルを越え、
今まさに、約10万円の節約に成功しようとしています。

道具はすべてプロ仕様。あとは、不安を捨てて、
測った長さを正確に紙に写し取る作業だけです。

もし少しでも不安があれば、まずは不要な紙を使って、
「定規を当てて、ペンを垂直に立てて、線を引く」練習を、
数回やってみてください。

その線の美しさに、きっと自信が湧くはずです。

さあ、道具を手に取り、次のステップ(実測・作図)へ進みましょう!