この記事の監修者

土地家屋調査士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)、行政書士。
取扱い分野:建物表題登記など表示に関する登記全般。

経歴:開業以来21年間、建物表題登記など登記に関する業務を行ってます。
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建物表題登記を自分でしようとする人は、
結構多くいらっしゃいます。

なぜなら、建物の登記の中でも、
建物表題登記については、
土地家屋調査士に依頼すれば、費用が結構高いからです。

もし、普通の一戸建てでしたら、
だいたい7万円~14万前後の費用がかかってしまうため、
その費用を浮かそうと自分でチャレンジする人も多いのです。

しかし、土地家屋調査士に依頼した時の費用が高いということは、
やはり、それだけの専門性と、家屋調査などの技術力が必要となり、
他の登記に比べても、難しい部類の登記申請ということになります。

特に、建物表題登記の申請では、
建物図面と各階平面図という図面を作成して、
登記申請書と一緒に、法務局に提出する必要があります。

これらの図面1つ取ってみても、簡単にできるわけではなく、
非常に専門的で、家屋調査の技術と、
図面を作成する道具なども必要なのです。

まず、建物図面については、家屋全体の寸法と形を正確に測り、
決められた用紙に、決められた縮尺で、決められたぺんの太さで、
定規を使って正確に作成する必要があります。

そして、その家屋が建っている敷地全体の形の記入も必要で、
敷地の外周からその建物までのキョリを、
3ヶ所以上記入しなければなりません。

また、その建物が建っている敷地のすべての地番の記入と、
その建物の敷地の周囲の土地のすべての地番の記入も必要で、
方位記号も記入が必要です。

以上のように、建物図面1つ見ても、
建物表題登記の申請を自分でするには、
非常に専門的な家屋調査の技術が必要なことがわかると思います。

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次に、建物表題登記の申請に必要な各階平面図については、
その家屋自体の外周の寸法を正確に測量する必要があります。

ただ、木造と鉄骨造り、コンクリート造りでは、
それぞれ柱(又は壁)の中心での測り方に違いがありますので、
それぞれの構造で決められている測り方をしなければなりません。

つまり、どんな家屋でも、外周を単純に測れば良いという訳ではなく、
基本的には、木造と鉄骨造りの家屋の場合は、
柱の中心から、柱の中心までの寸法を測ります。

そして、コンクリート造りの家屋の場合は、
壁の中心から壁の中心までを測ります。

ただ、例外も細かく決められていますので、
それに従った寸法の測り方が必要になってきます。

ちなみに、コンクリート造りの建物であれば、基本的に、
壁の中心から、壁の中心までのキョリを測るのですが、
中心の位置を出すには、壁厚なども調べる必要があるのです。

そして、上記の寸法を実際に測った後で、
今度は、決められた用紙に、決められた様式で、
各階平面図を作成する流れになります。

以上のように、各階平面図だけでも、
たくさんの細かい決まりごとがあり、
1つでもおかしい所があれば、補正(手直し)の対象になります。

ただ、建物図面と、各階平面図について正確に作成できれば、
残りは、登記申請書や所有権証明書などの書類ですので、
一般の人でも、何とかできるかもしれないレベルの登記です。

しかし、建物表題登記を自分でする時間と労力と、
土地家屋調査士に依頼した場合の費用を比べてみれば、
どちらが良いのかは、個人個人で判断が違ってきます。

もし、時間と労力をかけたくなければ、
土地家屋調査士に依頼した方が簡単に済ますことができます。

逆に、時間も労力もかけて良い状況の人であれば、
いろいろと細かく調べて書類を作成したり、
正確に図面を作成することができれば、
建物表題登記の申請を自分ですることも可能です。

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