この記事の監修者

土地家屋調査士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)、行政書士。
取扱い分野:建物表題登記など表示に関する登記全般。

経歴:開業以来21年間、建物表題登記など登記に関する業務を行ってます。
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建物を新築した場合、
建物表題登記を法務局に申請することになるのですが、
添付書類として、いくつかの図面が必要になります。

具体的には、各階平面図、建物図面、
位置図(案内図)の3点について、
かならず法務局への提出が必要です。

この3点の図面は、
建物を新築した場合の建物表題登記の申請でも、
建物を増築した場合の建物表題変更登記の申請でも必要になります。

各階平面図とは、建物の各階の平面的な形状と、
各辺の長さを平面図上で示して、
各階の床面積も計算した図面のことです。

そして、各階平面図を作成する時には、
不動産登記法上で細かい規定が定められているため、
その規定通りに作成する必要があります。

具体的には、縮尺は、原則250分の1で作成することや、
0.2ミリメートル以下の細線で、
鮮明に作成しなければならない、といったことです。

さらに、1階と2階の形状が異なる場合には、
2階の形状を平面図上で示す時に、
1階の形状も、重ねて点線で示しておかなければなりません。

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次に、建物表題登記に必要な建物図面についてですが、
建物図面の作成方法についても、
不動産登記法上で、細かい規定が定められています。

具体的には、縮尺は、原則500分の1で作成することや、
各階平面図と同じく、0.2ミリメートル以下の細線で、
鮮明に作成しなければならないといったことです。

また、建物図面には、敷地の土地の形状の記載も必要で、
敷地の境界線から、何メールの位置に建物があるのか、
といったことも、図面上で示す必要があります。

そして、敷地の境界線から建物の位置を示すために、
敷地境界線から建物の外壁までの距離を3か所、
建物図面上に記載するのが通例です。

さらに、建物が建っている敷地の地番と、
隣地のすべての地番や、北の方角についても、
建物図面に記載しなければなりません。

ちなみに、建物図面だけでなく、各階平面図にも言えることですが、
図面を作成する場合には、原則、
図面の上が北になるように作成します。

以上のように、各階平面図や建物図面を作成するためには、
細かい規定を把握した上で、作成しておかなければ、
法務局が書類審査した時に、作り直しになってしまうこともあるのです。

最後に、位置図(案内図)については、図面の作成というよりは、
建物の地図上の位置を、法務局の担当者に知らせるためのものですので、
住宅地図をコピーして、建物のある場所に赤でしるしを入れた図となります。

もし、住宅地図が無ければ、
インターネットで、登記しようとしている建物付近の地図を印刷して、
建物のある場所がわかるようにしるしを入れた図でもかまいません。

なお、位置図(案内図)については、縮尺なども決められていませんので、
各階平面図や建物図面に比べると、
誰でも、簡単に用意することが可能なものとなります。

建物表題登記に必要な図面としては、
以上の3点です。

ただ、各階平面図と建物図面を作成するためには、
その前提として、敷地の地積測量図の調査や、
建物の各辺長などを、現地で測る必要があります。

そのため、一般の方が、建物表題登記に必要な各階平面図と、
建物図面を自分1人で作成するには、
かなりハードルが高い作業と言えます。

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