この記事の監修者

土地家屋調査士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)、行政書士。
取扱い分野:建物表題登記など表示に関する登記全般。

経歴:開業以来21年間、建物表題登記など登記に関する業務を行ってます。
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屋外階段とは、
建物の外に設置されている階段のことです。

逆に屋内階段は、
建物の中に設置された階段のことです。

建物表題登記を申請する時には、
屋外の階段を床面積に入れるのかどうか、
という問題があります。

建物の登記申請では、
屋外階段については、
基本的に床面積には入れません。

では、屋外の階段であれば、
どんな階段であっても床面積に入れないかと言えば、
そうではありません。

床面積に入れる条件を満たしていれば、
屋外階段であっても、
床面積に入れることがあります。

たとえば、屋外階段に天井があり、
階段の周囲がほとんど壁に囲まれていれば、
床面積に入れることもあるのです。

建物の登記で床面積に入れるかどうかは、
基本的に、天井と床があり、
3方以上の周囲が壁で囲まれていることが条件にあります。

つまり、「外気分断性」のある部分については、
床面積に入れるというのが、
基本的な考え方としてあるわけです。

そのため、屋外階段と言えども、
この「外気分断性」を満たしていれば、
登記申請時の床面積に入れなければならないということです。

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ただ、建物表題登記を申請する時に、
床面積に入れるのかどうか、
判断が難しい屋外階段があります。

たとえば、屋外階段に屋根、
または、上階の天井があり、
手すりが階段の周囲に設置されている場合です。

その場合、手すりの上端から、
屋根、または、上階の天井の下端までの高さが、
1.1m以上あるのかどうかによる基準があります。

また、屋外階段に屋根、または、上階の天井があり、
腰辺りの高さの壁が、
階段周囲に設置されている場合もあります。

その場合も、腰辺りの高さの壁の上端から、
屋根、または、上階の天井の下端までの高さが、
1.1m以上あるのかどうかの判断が必要です。

ちなみに、1.1m以上あるのかどうかの判断は、
階段の踊り場部分だけでなく、
階段の傾斜部分(昇ったり降りたりする部分)も含まれます。

もし、1.1m以上あれば、
「外気分断性」は無いと言えますので、
その屋外階段部分は、床面積に入れないと判断できます。

逆に、1.1m以下であれば、
床面積に入れる場合もあります。

もし、1.1m以下であれば、
その屋外階段が、境界線より50cm以上離れているかどうかも、
判断が必要になります。

そして、境界線より50cm以上離れていれば、
「外気分断性」は無いと言えます。

また、その屋外階段に対面して、
建築物があるのかどうかや、他の屋外階段があるのかどうかも、
判断の1つに入れる必要があります。

もし、建築物がある場合には、
その屋外階段から1m以上離れていれば、
「外気分断性」は無いと言えます。

もし、他の屋外階段がある場合には、
その屋外階段との距離が、2m以上離れていれば、
「外気分断性」は無いと言えます。

そして、最終的に、
「外気分断性」のない屋外階段部分については、
床面積に入れないということになるのです。

ただ、判断の難しい屋外階段がある場合には、
自己判断ではなく、屋外階段の写真を撮って、
法務局と事前に打ち合わせしておくのがベストです。

なぜなら、床面積に入れるのかどうかは、
最終的に法務局の登記官が、
屋外階段の状況を見て、決定することだからです。

逆に言えば、登記官が床面積に入れないと判断すれば、
その部分を床面積から除いた各階平面図を作成して、
床面積を計算しなければならないということになります。

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